「終わらない旅」を貫いてきた風雨来記が「ふるさと」というテーマとお見合いした結果…

母里ちあり

■「風雨来記4:母里ちあり編」について書きます。ストーリーのネタバレ有り。
■「自分はこう考えたよ」という、個人的な感想・考察記録です。
■ 記事内で、ゲーム内のスクリーンショットを、権利元様を表記した上で引用しています。

■ 特に記載のない写真は、投稿者(ねもと)が撮影したものです。
■ 特に記載のないイラストは、投稿者(ねもと)による非公式の二次創作です。

この記事では、ちあり編で描かれたテーマのひとつ「ふるさと」について、

要約すると
・これまでの風雨来記は「北海道・沖縄」という旅人にとって「特別な」場所が舞台
・風雨来記4ちあり編では「ふるさと」という「ありふれた」場所がテーマに
・「旅」と「ふるさと」という一見相反する要素がお見合いした結果、

・「ふるさとへかえる」ことが、「旅のゴール」ではなく「スタート」になった。

以上を、順番に書いていきます。
なお、今回の記事内では母里ちありさんは「リリさん」、物語については「ちあり編」と表記します。



「田んぼって、キラキラやばやばー、だね!」

日常から遠く離れて見知らぬ土地を旅すると、目に入るものひとつひとつが新鮮に映ります。
普段は見る事のできない絶景に出会えば、心揺さぶられることもしばしば。
ああ、今、良い旅してるなーっ、と満足感が高まる瞬間です。

風雨来記に憧れた初めての旅で、北海道を訪れたときの自分がまさにそれで、期待以上の風景に巡り会える毎日が楽しくて、まるで別世界にいるみたいで、今日はどこ行こう明日は何しよう、ずっとこの旅が続けばいいのに……と夢中で過ごした記憶があります。
このブログのタイトルの「旅想郷」というのは、実はその時に思いついた造語だったりします。




北海道の旅が終わり、その後もいろんな場所を旅して訪れるうちに、ある時、別の思いにも気付きました。

「はじめて見る絶景の新鮮さ」は、確かに心を刺激してワクワクさせてくれる、旅のエモい一面だけど、それと同じくらい「はじめて訪れるのに懐かしい、ありふれた景色へのしみじみした感動」も自分はすごく好きだなぁ、って。


初夏の田んぼ/岐阜美濃

その最たるものが、里山の風景。
初夏の田んぼ。あぜ道、低い山、送電線。ちゃぽちゃぽと用水路を豊富な水が流れる音。
別に観光地でもない、日本中どこにでもあるようなそれは、どんな絶景を見た後も色あせず、いつもキラキラと輝いて見えます。


「そこでしか見られない新鮮な絶景」と、「どこででも見られる懐かしい風景」

旅で見る景色として、どちらかに優劣つけられるものではなく、それぞれ違う種類のエモさのある素晴らしいものだ、と自分は本気で思いました。


ですが、これについては、人に話しても共感してもらえることが少なかったです。
『里山の風景が綺麗なのは分かるけど、さすがに田んぼなんかよりももっとすごい景色が世の中にはたくさんあるだろう。ほんとに色んな所行ったの?自分の目でちゃんと見てきたの?』みたいな反応が多くて。

だから、

「田んぼって、キラキラやばやばー」風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG

リリさんのこの言葉に、心臓をわしづかみされました。
自分がずっと抱いてたうまく言葉にならない感情を、言葉にしてくれた気がして。
あとちあり編のライターさんに、勝手に猛烈なシンパシーとリスペクトを感じました。

そうなんだよ…!
俺もずっと、ただ素直にこんな風に言いたかった。
「田んぼってすごく、キラキラやばやばー」だよ!って。



一ヶ月の間、岐阜を旅していたリリさん。
「キラキラやばやばーな場所を教えて欲しい」と問われて主人公が教えたのは、モネの池や國田家の芝桜、付知峡という、SNSで話題になったり、有名なお花畑のある場所だったり、あるいは自然豊かな憩いのスポットでした。

また、主人公と偶然出会った場所である種蔵や下呂温泉、それに馬籠や、それ以外にも白川郷や平湯温泉など定番の観光地も、彼女はきっとたくさん訪れて見てきたことでしょう。

そんなキラキラやばやばーな旅をしてきたリリさんが、旅の終わりに「キラキラやばやばー」だと感動を口にしたのが「近くで見る田んぼ」。

「ふるさと」の風景だったんです。



母里ちありと「ふるさと」

風雨来記4における、ヒロイン毎のシナリオ構成

母里ちあり編の物語には、風雨来記シリーズで描かれ続けて来た「最高の一枚、最高の場所」や、風雨来記4のメインテーマだと個人的に思っている「変わり続けること/変わらないこと」など、いくつかの大きな軸があると考えていますが、その中のひとつとして「ふるさと」というテーマが、挙げられると思います。


風雨来記4では、舞台となる岐阜にある様々な要素や観光スポットを、3人のヒロインがそれぞれ役割分担したシナリオ構成になっているようです。

柚原日陽さん:「隠れた絶景」や「寺社」「飛騨の生活」
鵜瀬垂ちゃん:「治水」と「伝承」
母里ちあり編:「有名観光地」と「ふるさとの風景」

と言った具合に。
各ヒロインが訪れる観光スポットに関しては、見事なまでに一切全くかぶらなかったですね



ではここからは、ちあり編でどんな風に
「ふるさと」というテーマが描かれていたか、掘り下げていきますね。


母里ちありと名前

最初に、名前から見ていきます。

風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG

母里ちあり
「母」+「里」+「地」「有り」。

あるいは、1の頃から旅のライダーの象徴だった「風」「蜂」というキーワードに対する、「地」「蟻」という風にもとらえられるかもしれません。

あらためて考えると、ストレートに「ふるさと」を想起させる名前ですね。
他にも島根という土地や、過去作の「光」との繋がりなど色々な意味の込められた名前だと思いますが、掘り下げると長くなるので別の機会に書きます。




・母里ちありと「うさぎ」のモチーフ

風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG

ゲーム内でも言及のあった唱歌「ふるさと」。
代表的なフレーズ「うさぎ おいし かのやま」が印象的です。
うさぎは、「ふるさと」の象徴的な動物とも言えるのではないでしょうか。
ちなみに、歌詞に出てくるふるさとのモデルは岐阜のお隣、長野県中野市(旧豊田村)だそうです。


風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG

作中においてリリさんは「うさぎを飼っている」「動物の中でうさぎにいちばん詳しい」と話していますし、「瞳の色、ヘアアクセや服の配色や靴などのキャラクターデザイン」「元気いっぱいかけまわる」「耳もいい」「兎みたいな子(千尋君談)」など、あきらかにうさぎのイメージに寄せて描かれています。

それから、月と言えば兎。
親友とのおそろいのイヤリングも確か……



【10/20追記】
島根とうさぎと言えば、日本神話のイナバノシロウサギ伝説。

イナバという語自体は、元々「稲置場」を意味する言葉だったそうで特定の場所ではない、という説もありますが、イナバと聞いて真っ先に思い浮かぶのはやはり「因幡」、現在の鳥取ですね。

リリさんと岐阜の最後にお参りする橿森神社に祀られている神様「市隼雄命」は、元々因幡から美濃にやってきた一族の末裔です。(因幡国造、つまり因幡の長を務めた血筋)
このあたりは彼ら一族の縁の地なので、その背後にたたずむ金華山の元々の名前も「稲葉山」です。

父を祀る伊奈波神社、母を祀る金神社、息子を祀る橿森神社。
これら三社を中心に毎年4月5日、岐阜市内にある多くの神社をあげたお祭り「岐阜まつり」が行われます。

これまで全く意識してこなかったんですが、島根と同様に、鳥取と岐阜にも、とても古くからの深い繋がりがあるのですね。調べるほどに、面白いです。


・母里ちありと里山の風景

風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG

そして何よりも、リリさんの出身が『島根の片田舎』の『先祖代々受け継いできた土地』であること。彼女のルーツそのものに『里山の風景』があることです。




ちあり編を振り返れば、リリさんとの出会いの場所であり別れの場所となった『種蔵』も、あるいはプロポーズの場所となった『酒折棚田』も、里山の風景が残る場所でした。
ある意味、田んぼで始まって、田んぼで終わり、また田んぼで始まって、田んぼに続くヒロイン。

北海道というスケールの大きな絶景の世界からスタートした「風雨来記」シリーズで、まさかこんな田んぼだらけの物語が描かれる日が来るとは、思いもよりませんでした。大好きです
そういえば風雨来記4で「最初に訪れるスポット」も、かなり多くの人が田んぼなのでは

風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG

種蔵では、「またここへ来ちゃったな…」「何度も来たくなるいい場所だから」「いつまでだって見ていられちゃう」などの言葉がリリさんから聞けます。
飛騨周辺に10日近くもとどまり、その間少なくとも三回は種蔵に足を運んでしまったのは、ここが、リリさん自身の原風景に似た雰囲気の場所だったからではないでしょうか。


風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG

片田舎。この場合の「片」は「極端に偏った」という意味。ガチ田舎ということです。
リリさんからは海や宍道湖の話がでないので、彼女の故郷は島根の中でも、岐阜の飛騨のような山深い里なのかもしれませんね。



この数日後、彼女の言う「大自然」を身をもって知る千尋であった 風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG


風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG

彼女がまだ引っ込み思案で人見知りの小さな女の子だった頃、大好きな兄さんの背中にくっついて、川遊びや虫取りをしたり、拾ってきたセミの幼虫の羽化を一晩中観察したりした、懐かしい故郷の記憶。


「兄に雰囲気が似た人として」主人公に親近感を持ったように、「故郷に雰囲気が似た場所として」岐阜の風景に親しみを抱いたことが、岐阜に滞在してしまった理由なのかもしれませんね。
古代の島根と岐阜は、兄弟のように深い関係だったという説もあるようです。出雲の主神オオクニヌシの相方であるスクナヒコナを始め、出雲系の神様や八岐大蛇を祀る神社や山などが、岐阜には驚く程たくさんあります。島根生まれのリリさんが岐阜に惹かれたのも、偶然ではないのかも?


また、ちあり編ではBGMも、強く感情を揺さぶるようなドラマティックなものは(意図的に)全く使われず、終始おだやかで優しい、あるいは明るい曲が選ばれているのですが、これもリリさん、そして「ふるさと」の印象と合っていて、個人的にとてもよかったです。
でも欲を言うならリリさんのために作られた専用の曲も欲しい


風雨来記における「ふるさと」

風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG

ふるさと、と聞いて多くの日本人がイメージするのは、自分の出身地の故郷以上に、「トトロ」で描かれたような、里山の風景だと思います。

里山とは、人里の暮らし…田んぼや畑、雑木林、ため池、用水路などが、周囲の山や森の自然に緩やかに影響を与えて生まれた「生態系」を指す言葉だそうです。

たとえば、田んぼで合唱するカエル、ため池で育った赤とんぼの群れ、畑横の腐葉土で育つカブトムシ。
これらは元々自然の中でありふれて見られるものではなく、人が手を加えた自然との共生――里山が見せてくれる風物詩です。



「手つかずの自然」とは対照的な、「手入れされた自然から生まれてくる自然」の美しさ。
それは、手入れし続ける人がいなくなれば遠からず失われる景色でもあります。
「最高の場所」の考え方にも、どこか通じる部分があるかもしれません。

風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG

そうした「日本の普遍的な、けれどゆっくりと失われつつある風景」をゲームで描く。


これは、風雨来記1~3の舞台だった北海道や沖縄……そこに住む人以外にとってどこか非日常感のある特別な土地……では描けなかった、「岐阜」を舞台にしたからこそできた魅力的な要素のひとつではないでしょうか。

日本の真ん中にある土地という身近さを逆手にとって最大限に活かし、見せてくれた、新しい「風雨来記」の形だったと、思います。

今はまだまだ当たり前の、ありふれた景色でも、二十年先、五十年先もそうだとは限りません。
ああ、令和の始めの頃の岐阜にはこんなのどかな風景が残っていたんだ。
いつか未来で、風雨来記4を手がかりに、そんな風に振り返られる日が来るかも知れませんね。



風雨来記と「ふるさと」がお見合いした結果

リリさんとのエンディングについては、書き始めると際限なく長くなるので今回はあまり深くは触れませんが、「ふるさと」というテーマにからめて一点だけ。

風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG

リリさんとの「二人旅エンディング」では、リリさんと結婚する道を選び、仕事を辞める覚悟を決めた主人公が、上司からの提案で、フリーの契約ルポライター(奇しくも、1の主人公と同じ肩書き)として、これからも旅の仕事を続けてゆくこととなります。
農業とライターの、複業(パラレルワーク)ですね。


風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG

20年前の風雨来記の時代では、きっと現実的には感じられなかった展開でしょう。

逆に、ネットが発達したおかげで場所に縛られずできる仕事も広がり、能動的な選択肢として「田舎暮らし」が挙げられるようになった今となっては、フリーランスと家業の複業について、むしろ現実的で地に足をついた展開だと思う人も多いのではないでしょうか。


現代において、ふるさとは決して、夢をあきらめるために戻る場所、ではなく。

風雨来記4ちあり編の島根への二人旅は、ゴールではなくスタート。
そこで描かれたのは、「夢を手に入れるための場所」としての「ふるさと」でした。

風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG



まとめ:自分にとっての「ふるさと」

島根の里山/奥出雲

風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG


風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG


「ふるさと」に対して抱く思いは、人によってまさに多種多様だと思います。
あるいは同じ人でも、年齢や経験で変わることもあるでしょう。
「日本人の故郷」とか「原風景」「日本の真ん中」だとかのイメージに、そもそも興味をそそられないという人も少なからずいるでしょう。

かくいう自分も、風雨来記と出会ったばかりの頃、新しい場所、遠い場所へ行くことが楽しくて仕方なかった頃なら、里山の風景に足を止めなかったかもしれないし、リリさんの物語の魅力にも気づけなかったかも知れません。



久遠の絆で描かれたふるさと

風雨来記シリーズの大元である「風雨来記」を作られた浅野監督は、実写花札旅ゲーム「みちのく秘湯恋物語」や伝奇ノベルゲーム「久遠の絆」に感銘を受けて株式会社FOGに入り、旅そのものが目的のゲーム「風雨来記」を企画されたそうですが、昔何かのイベントでファンの前でお話されたとき、久遠の絆で特に印象的だった点として「デモムービーで、日本の美しい実写風景が淡々と流れること」や「章間エンディングで、農村の風景を背にした万葉」を挙げられていました。デモムービー=タイトル画面で何もしないでいると流れる映像

この美しい世界が、お前がこれから守る場所なんだぞ、というのを何よりも強く伝えてくれた素晴らしい演出だった、と。

実写映像によって繋がる現実感。
ある意味では、ありふれたふるさとの風景も、風雨来記の原点のひとつだった、とも言えるのかもしれませんね。

久遠の絆 / Nippon Ichi Software, inc./FOG
久遠の絆 / Nippon Ichi Software, inc./FOG


アンデスに「ふるさと」を感じた話

少し余談になりますが、南米を旅したとき、切り立った山に囲まれたマチュピチュなどの遺跡の絶景に大感動する一方で、崖を利用した段々畑(じゃがいもやとうもろこし畑だそうです)に日本の山村の風景を重ねたり、山と海を繋ぐインカ時代の古道を見て、旧街道や熊野古道を思い出したりと、はじめて訪れる外国、それも地球の反対側の土地で、自分の知るなじみ深い景色との共通点を見つけられるのが、意外なくらいに嬉しい体験でした。

山間の風景/ピサック遺跡周辺


石畳のインカ古道/マチュピチュ


マチュピチュ麓の温泉街/アグアスカリエンテス村


マチュピチュはインカの王族の別荘地みたいな街だったと言われていて、インカ帝国が滅びるとともに数百年忘れられた後、外国人によって再発見されたという経緯を経ています。

今では世界的観光地として整備されていますが、この場所が「遺跡」になる前に元々あった本質、人が暮らしていた頃の風景は、自分の知っている「ふるさと」のそれと近しいもの、あるいは、『同じもの』だったんじゃないかと、ふと思いました。


根っこが同じだからこそ、ほんの500年前までは、このアンデスの山々でしか栽培されていなかったトマトやとうもろこしやピーマン、じゃがいもなどの野菜が、ヨーロッパ経由の長い旅を経て日本に伝わり、そしてただの食料としてだけではなく、「日本のふるさとの風景の一部」として今、こんなにも馴染んでいるんじゃないかと。

根底はおなじもの 風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG

そしてまた、そんな風に共通点を発見したり、親近感を感じるからこそ、「違う部分」…スケールの大きさや文化、技術、考え方の多様さなどを、さらにはっきりと感じられるようにも思うのです。



クソデカ段々畑/マチュピチュ




「そこでしか見られない新鮮な絶景」と、「どこででも見られる懐かしい風景」

今まで、どちらかに優劣つけられるものではなく、それぞれ違う種類のエモさのある素晴らしいものだ、と思っていました。
あるいは、そのふたつは、実ははっきり分けられるものではないんじゃないか、とも。


今も変わらずそう思っていますが、『もしも』道が分かれていて、自分が行ける場所が『どちらかひとつ』だけかもしれない、としたら、自分はどっちを選ぶだろうか。
たとえば、「明日地球が終わるけど、その前に一カ所だけ、どこでも自由に好きなところへ行ける権利」をもらったとしたら。



風雨来記の相馬轍の旅と出会ってからの、そしてリリさんの物語と出会う前のこれまでの自分なら、まだ見ぬ場所を求めて、やっぱり前者を選んでいたと思います。
そして今の自分は、きっと後者を選ぶでしょう。


風雨来記4でのリリさんとの岐阜の旅は、自分の中の価値観を、大きく変えてくれた物語でした。




泥底にあるザリガニの巣穴に無造作に手を突っ込んでつかまえる方法を教えてくれるリリさん。/島根





以上、リリさんとふるさとの話でした。
ここまで読んでくれてありがとうございます。


縁があれば、また、別の旅で。


ちあり編についてまだまだ書きたりないことがたくさんあります!!!!!

・ ふるさとというテーマ ← 今回はこれについて書きました
・ 過去作との関連性をひたすら挙げ続けて気付いたこと
・ 風雨来記1の旅の「直後」にリリさんは生まれてるけど、その意味について
・ リリさんが敬語で話すシーンをまとめていて気付いたこと
・ リリさんの故郷が島根のどのあたりか考えていて思ったこと
・ 月子さんはどうやってのひコンのリリさんを見つけたのか。何者なのか
・ 変わり続けることの大切さ、変わらないことの素晴らしさを描いたことによる、
  すべてのエンディング、ルートの可能性の肯定
・ 「最高の……」の始まりは「お前が笑顔でいられる場所を探せ」だった話
・ 別れることによって「終わらない旅」に居続けられることの幸福と、
  結ばれれば否応なく「いつか必ず別れの来る旅」に向き合わされるという話
・ 俺も20歳の時仕事についてリリさんとおんなじこと思ってた!
・ 「種蔵のリリ」「モネ・芝桜のリリ」「下呂以降のリリ」の、
  距離感の変化が何十周してもいつも新鮮だという話

コメント

  1. 水洋日 より:

    こんにちは、早速読ませていただきました。

    私も里山や山村の風景をボーっと眺めるのが好きですが、私の場合は日本の原風景の穏やかな綺麗さと、土地神的な厳かさや神秘さを同時に感じられるのが魅力かなと思っています。

    リリさんの名前の考察、感心しました。
    ふるさとというキーワードから考えると、凄く分かりやすいですねw

    うさぎ要素はてっきり因幡の白兎かなと思っていましたが、よく考えたらあれは島根のお隣鳥取でしたかね。

    最後のイラスト、よく見ると奥にいるのはもしかして…

    • ねもと より:

      早速のコメントありがとうございます。

      原風景にある、土地神的な厳かさや神秘さ、とてもよく分かります…!

      名前に関しては、リリさん編を何周もしながらぼんやりと浮かんできたものなので、合っているか分かりません。
      でも、参考になったならば嬉しいです。

      シロウサギ、やっぱり真っ先に連想しますよね。自分もでした。
      イナバノシロウサギは、鳥取の「因幡」と特定されてはいないそうです。
      古い時代には、稲を集める場所のことをイナバと呼んでいたそうで、イナバはあちこちにあったとか。
      ウサギが渡った島というのは島根の隠岐の島で、シロウサギは出雲の話だった、という説もあるそうですよ。

      後ろにいる人については、記事一本書けるくらい色々思うところがありますね…何者なんでしょうか。

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