岐阜の旅のこと。

旅日記
リリさんと旅した夏


今年の夏は、時間と晴れ間を見つけてはどこかへ出かけていた。

特に岐阜には色々あって結局計三回訪れ、総走行距離2000キロ弱、合計で10日間の旅となった。
撮った写真の枚数が10000枚を超えていて、整理するのが大変だ。




訪れてはじめて気付いたこと、発見したこと、考えたことが、たくさんある。
今回はその中からいくつか書き記しておく。


●風雨来記4関連

・風雨来記4の作中時間は8月だ、と思い込んでいたけど、実際8月に岐阜を旅して真夏の風景を見て回ると、そうじゃないかなと考え直すようになった。

特に「今月初めにリリと出会った」と言うテキストがあるリリさんの物語の場合は、石垣の雑草がまだ伸びていない種蔵、まだまだ芝桜が咲いている國田家の芝桜、田植えからまだあまり時間がたっていない坂折棚田、といった真夏ではありえない風景を考えると、6月あたりと考えるのが妥当かもしれない。

個人的に今は、風雨来記4の舞台は6~8月、くらいの幅で考えている。


・プレイ中は、主人公の服装夏なのに暑くないのかな、と思っていたけど、むしろバイク乗るならちょうどいいくらいだと思った。
岐阜の夏は、個人的にはとても過ごしやすかった。


・風雨来記4の特長である360度カメラのメリットとデメリット。
このカメラはレンズの性質上、近くのものを極端に大きく、遠くのものを極端に小さく写す。
そのため、正確な奥行きやサイズ感が感じ取りにくい。

風雨来記4の記憶をたよりに実際に訪れてみると、「思ったよりコンパクトな場所」だったり「思ったよりアップダウンが激しい場所」だったりすることが多々あった。


・下呂温泉の噴泉池

photo:旅想
photo:旅想




訪れてみると、ゲームで見た印象よりもずっと広い湯船で、ロケーションも素晴らしかった!

入浴禁止になる前に来ていたら、ぜったい入っていたと思う。
目の前が川なので、温泉で暑くなったら川で涼んで……という、贅沢も楽しめただろうなぁ。


ただ、入浴禁止じゃなかったとしても、この日はたぶん湯温50度を超えていて、5秒間、足をつけるのもやっとなレベルだった。

photo:旅想


お湯の勢いがとにかくすごい。
源泉掛け流しというか、源泉あふれまくりというか。

photo:旅想

今回はこちらの温泉に入ってきました。





・そして、音。
風雨来記4作中では音楽はあっても、「その場所の音」はない。
なので、これは実際に訪れてみないとわからない。
音によって印象が変わった場所も少なからずあった。

たとえば種蔵で印象的だったのは、ものすごく静かな中で、風の音とミンミンゼミとスピーカーから時たま流れる「星のオルゴール」の音、そしてそれ以上にたえなく聞こえる水音。
今でも、自分の記憶の中で、種蔵の風景を思い浮かべればともに思い出されるのはあの重低音の水音だ。



・付知峡のバンダナ事件

風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG

実際に歩いてみると分かってしまう「あの休憩所からここまで」は、徒歩三分。
いくつか道が分岐しているから、きっとおしゃべりに夢中で思い切り遠回りしながら歩いたんだろう。

photo:旅想






●他、きづいたこと
・10日のうち、雨と縁がない日は、たった一日だけだった。
あとは夜中に豪雨だったり、一日中雨だったり、夕立が嵐のようにやってきたり、夜中に豪雨だったり、一日中雨だったり、まあとにかく雨と縁深い旅になった。

昼間もそんなにすかっと晴れなくて、おかげで一度塗れた服や装備、テントがどうにも乾かなくて困った。
後半はずっと、レインコートを着たままの旅になった。




・とにかく水が豊かな土地、という印象。

岐阜を訪れてとにかく印象的だったのが、「水」。
水の恵みが豊かな土地だ、と知識では知っていても、実際訪れてみると、「豊か」のレベルが違う。

特に美濃から北、飛騨方面に行くほどに「こんこんと湧き出る」とか「岩の隙間からしみ出す」とかは当たり前で、そういう情緒的な次元ではなく「吹き出す」とか、「溢れる」光景もそこら中で見られた。
擬音にするなら「コポコポ」とか「チョロチョロ」ではなく、「ドドドド」とか「タプンタプン」とか「ゴーゴー」。
水不足で悩む土地からすれば、もうちょっと加減しろ、と思ってしまうんじゃないかというくらいの豊富さだ。


住宅街のよくあるU字の排水溝に、あふれんばかりのたっぷりの水がとうとうと流れていて、それがそこらの清流より綺麗なのだ。
近所の人が顔を洗ったり、野菜や果物を冷やしたり。


神社の手水も、湧き水の場合が多くて(むしろ湧き水のあるところに神社を建てた?)、真夏だと言うのにものすごく冷たくて心地良い。


こういうところで暮らしたら、自然の恵みとしての水との距離感というか、価値観が変わるだろうな、と思った。

photo:旅想
photo:旅想





・普段の生活ではついつい寝過ぎてしまいがちな自分だけど、今回の旅ではなぜかいつも3時起きで、だいたい6時までには出発していた。
早く出れば早く出たぶんだけ、一日に見られるものが増える、と思うと自然にそうなっていた。

(道中はずっとテント生活だったため、雨が降ったり熱帯夜だったりでいつも蒸し暑く、寝苦しいせいで寝付きにくく、とっとと起きたかったのも原因かもしれない)


この期間は1日1日がとても長く感じたが、早起きして朝早い時間から行動していたことも原因かもしれない。
日常的にもそうありたいものだけど、旅から帰ったらこれはあっさり元のリズムに戻ってしまった。


・八百津の悪路で、バイクのクラッチワイヤーが切れた。
旅を分割することになった理由のひとつ。

キングオブ酷道というか、五月橋に向かう県道の急傾斜×悪路のコラボによって、とどめをさされた感じだった。
救いは、悪路を抜けて、酷道ではなく国道まで戻って来たところで切れたこと。

クラッチが使えないのは致命的で、それを操作する一本の鉄のワイヤーが切れただけで、旅どころか、まともに走り出すこともままならなくなる。
旅の前のメンテナンス、確認の大切さをあらためて思い知った。

コメント

タイトルとURLをコピーしました