【風雨来記4感想】それでも、いつか必ず別れはくる。

母里ちあり



時間が流れる。
だから、時間が足りない。


ものは考えようだ。

タイムリミットがある、終わりが来るということは、決してネガティブな面だけじゃなく、むしろ今を、より能動的に生きる理由、原動力にもなる。

風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG



限りある一度きりの人生だからこそ、「よりよく生きたい」と強く願ったり、変化への動機も生まれるわけで。
もし人間が不老不死の体だったら、きっと、欲の尽きない一部の天才を除けば、「今を生きる意味」なんて、概念ごとなくなるんじゃないだろうか。

風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG


それこそ、木のような生き方になるかもしれない。






風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG


リリさんと出会った日からずっと、時間が足りない。
やりたいことが次から次へと湧いてくる。
「楽しい」とか「感動」とか、気付きで毎日がいっぱいだ。


そういえば、小学生の頃は、修行すれば自分もかめはめ波を撃てると本気で信じていて、夜、布団の中で数時間ほど気を集めたりしたものだけど(天井に穴開けたら後で怒られると本気で心配しながらやっていたっけ)、あの頃と同じくらいの熱量のワクワクを、今の歳になって感じられること。

これは結構すごいことなんじゃないだろうか。


それでまずは、とにかくこれやらずに寿命迎えたら絶対後悔する、と思うことを片っ端からやるようにした。
このブログもそのひとつ。



器用な方ではないので、何をするにもいつも、予定の数分の一しかこなせない。
光陰が矢の如く流れてく。
それでもとにかくひとつひとつ、着実に積み上げるしかない。



今年旅したいところを、文字にして片っ端から書き出した。
行きたいところが紙にいっぱいになった。

もう何年も気ままな旅なんてしてなかったのに、今はこんなに、生きたいところがあることにちょっと感動した。

巡るのがめちゃくちゃ楽しみだ。





積極的に色々なことに取り組むぶん、失敗したり、挫折することも増えた。
それについて、良い経験になった、と苦しくも楽しく捉えられることに、我ながらちょっと驚く。
少し前まで、自分はこんなにポジティブな人間ではなかった。


これは本当に、リリさんの影響。


ほんとこれ。大好きだ。 風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG



せっかくなので、2022年今年の自分の抱負は、

「たくさん挫折する」

とした。

うまくいかないことを怖がらずに、恥ずかしがらずに。
むしろ、笑われたり馬鹿にされてもいい。

旅の恥はかきすて。
それはむしろ、「人生という旅」においてこそ、至言かもしれない。

興味のあること、やりたいことに積極的にぶつかっていく。
毎日、どんなちっぽけでもいいからひとつ、新しいことに挑んでいこうと思う。

その結果の挫折なら、それは自分の経験値にしていけると、今は強く確信できるからだ。







以下は、やりたいことに対してあまりに時間が足りない中で、「時間を増やす」ために色々考えて実行したこと。
効果あったものもなかったものも、まだどっちかわからないものも、記録としてまとめて記しておく。


・まず、本を読む機会が増した。
遠回りなようだけど、先人の様々な知識を手に入れるのは、結果的に超近道(時間の有効化につながる)と実感する。
もちろん、自分に合わないものもあるから、読んだ本全部が身になるから、何も考えずに全部読むんじゃなく、目次や流し読みで必要かどうかを短時間で取捨選択して、必要だと思ったものをあらためて読み込む。
今はとにかく量をたくさん読みたくて、良さそうな本を見つけては、電子書籍やkindleの読み放題をフル活用している。
「Audible」というAmazonの書籍朗読サービスも試してみたけれど、物語には良いけど、実用書については数倍速を使ったとしても、普通に読むよりもっと時間がかかってしまうので、自分には合わなかった。




・情報を得る手段としてYoutube等の動画を、積極的に使うようになった。
芸術系にしろ、カメラやポージング、音楽、ネット関係やスポーツ、ホビーなどにしろ、色んな世界の一線級の人達が、業界最先端の知識や技術――一昔前までは門外不出とか、秘伝と言われていた情報までを惜しげもなく紹介、解説しているので、新しいことに挑戦するにあたっては、本当に恵まれてる世界になったなぁといつも感謝してしまう。

動画を視聴する頻度が増えて、広告でロスする時間が馬鹿にならなくなってきたので、Youtubeプレミアムに入った。

たとえば20分程度の講座動画を10個ほど見る(聴く)と、広告だけで一日あたり5~10分くらいロスになる。
週にすると1時間、月で約4時間のロスになるから、1000円そこそこの月会費でその時間を買えると思えばコストパフォーマンスはものすごく高い。


時間とはちょっと関係無いけど、Youtubeに限らずネットで調べ物していて最近、英語はもっと勉強した方がいいな、と思うことが増えた。情報検索を海外まで広げられたら、もっともっと色々なことを知ることができる、と考えたらわくわくする。





・家のネット回線を、速度の速い別サービスに変えた。

これまでが遅すぎた(たまに1M以下、ひどいときには200kbpsとか)こともあって変化は超がつくほど劇的で、調べ物のための検索や動画の読み込み、写真のアップロードなどの、これまで当たり前だった「情報の待ち時間」がなくなった。

日々の検索や動画再生にかかっていた一回あたりコンマ数秒~1秒2秒のロスが、体感でゼロ。
これは積み重ねれば膨大な時間になる。
写真・動画データのやりとりなどでは、さらに強烈で、以前の回線の100倍速い。

一日の時間が体感で15~30分くらい増えた印象。

PS4版風雨来記4のDL版をダウンロードするのに8時間かかったあの極遅回線には、もう戻れない。




・他には、リリさんの言う通り、普段特に理由なく選ばなかった道、やらなかったことを、積極的に選択するようになった。
それだけで、「これまでしなかった新しいこと」という体験が増えていく。
そこからまた別の発見につながったりして、とても面白い。

それが時間の使い方とどう関係あるのかというと、実体験として、「新しいこと」をやると、そのぶんだけ一日の体感時間が長くなるのだ。


たぶんだけど、何も考えずにいつもと同じことをすると、脳は時間を早送りするというか、経験の処理を省略してしまうのだと思う。
ゲームのメッセージスキップ機能<未読テキストまでスキップ>みたいな。



だから、ふだんしないことをやるのはもちろん、いつもと同じことをやるにしても、なぜそうするのか考えるくせをつけることで、同じ時間をより長く、意味あるものに感じられるようになると思っているし、実際そう感じている。





時間の効率的な使い方
これがある意味、自分にとっては、一番大きなハードルだった。

昔から、時間の割り切り方が不器用で、色々なことを平行してできず、「やらなければならないこと」がほんのわずかに間に挟まったりするだけで、「本当にやりたいこと」に集中できなくなって、ぜんぶが中途半端になるという悩みがあった。

たとえば、休日の昼に一時間くらい気のすすまない予定が入っているだけで、その日一日を無為に過ごしてしまいがちだったし、あるいは、なんとなく休日にも仕事を入れてしまって、でもまあ仕事だからしょうがないか、とずるずると数ヶ月単位で無休を続けてしまったりした。

今思うと、こういうこと……つまりやりたいことを後回しにして、やらなければならないことだけやり続けた結果、旅をしたいという気持ちや、新しいことに挑戦する意欲がどんどん無くなっていったように思う。


それは、確かに「そのときにやらなければならないこと」ではある。
でも、それは本当に「人生においてやらなければならないこと」なのか。

「人生においてやらなければならないこと」は、むしろ「今本当にやりたいこと」なんじゃないか。



つい感情移入してしまう。 風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG

色々な時間の使い方に関する本を読んだり、話を聞いて、自分なりに選んだ方法。

今年からは、「どうしてもやりたいこと」がある場合は、たとえば、最低でも月にこれくらいはやりたい、というラインを決めて、それを最優先でスケジュールに入れてしまうことにしている。
その次に、「どうしてもやらなくてはいけないこと(生きていくために必要な事)」の予定を入れる。


「何があろうと絶対に残業しない時間」や、「仕事のことは一切考えない休日」を作って、その部分に「やりたいこと」をあてて、全力で集中する。
 実際に使った時間以上に、「自分はやりたいこと・将来のためにやるべきことに、能動的に時間を使っている」という自己認識が、精神面では大切らしい。




こういうのは、要領のいい人はわざわざ切り分けなくても、感覚的にうまい具合にやりくりできるんだろうけど、自分の場合はこの考え方でやっと、納得できる時間の使い方をできるようになりつつある。

10年後の自分が楽しみだ、とはじめて思えた気がする。





最近、ネット記事や本、動画などで、色々な分野のプロフェッショナルの人達の発言を見ていると、全然違う職種・ジャンルなのに、似たような内容を語っている、と気付くことが少なからずある。

風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG



たとえばそのひとつが、その分野でトップに立ち続ける人は、たいてい自分の現状に満足していない、より上を求め続けてしまう人だということ。

これは、謙遜とか無いものねだりとはまた違う。
実力をつければつけるほど、それとともに、理想に対する解像度が上がっていくためだと思う。


たとえば絵画は、「描くこと」の何倍も「観ること」「考えること」が重要だと多くのアーティストが口をそろえて言う。

風雨来記4でも語られたクロード・モネは、「光」の描写を追求した画家で、時間経過による光の表現を極めるために、自宅に日本風の庭園を造って、そこで一日のほとんどを過ごしたとか。

「描く」の何倍も「観て」「考える」のだから、頭の中の理想の方が先に高まっていくのも道理だろう。

周りから見たらすごい作品を作る人でも、本人からすれば、まだまだ全然理想に届かない、一生掛かっても無理、というような感覚になったりするのかもしれない。

才能の自転車操業?違うか。
才能のいたちごっこ、才能の永久機関?……という感じだろうか。


※芸術に限らず、「本気で何かを表現したい」何かに向き合うときは、誰だってそういうものなのかもしれない。
 自分もリリさんについて書いたり描いたりするときに、その十倍以上はリリさんを見たり考えたりしている。
 表現のためのその時間を努力という意識ではなく、ただただ楽しく有意義に感じられる状態が、いわゆる「夢中」ということなのかもしれない。



理想においつかない、それは、絵画のみならず、様々な分野において同様らしい。

面白いことに、「理想」の答えやヒントは、初心者でも最初から持っていることもあるので、本当にその分野のトップクラスの人であるほどに、初心者や努力する人を馬鹿にしない。できないのだそうだ。
むしろ初心者からも、貪欲にその感性を吸収しようとするらしい。



すべての子供は芸術家だ。
問題は、大人になっても芸術家でいられるかどうかだ。


ラファエロのように描くには4年かかったが、
子どものように描くのには生涯かかった


と、「子供の感性」を求め続けたピカソのように。




 

ひとりの人生は有限で、やりたいことを全部やるには短すぎて、難しいけど、世の中にはたくさんの人がいて、自分のできない、やらない、思いつきもしないことをいつもどこかで誰かがやっている。

すごい人をみるたび、つい無いものねだりしてしまいがちだけど。
あるいは、自分も、他の誰かができない何かを、生きていく中で今、無意識にやってるのかもしれない。

そう考えると、ちょっと、楽しくなる。





まとめ:それでも、いつか必ず別れはくる。



限りのある時間を、何をやって過ごすのか。
いつか終わりが来た時に、たとえば、明日隕石が落ちてきて人類が滅ぶよ、と言われたときに「これをやれたから、自分には生きた意味があった」と満足するためには、何をすればいいのか。







情熱は、文字通り、「感情」「熱」だ。

本当にやりたい、大好きで大切なことでも、後回しにし続けると、その情熱は最初こそ溜まっていくけれど、ある瞬間を超えると、ふっと霧散してしまう。
空気みたいに、そこにあるけど感じられない、そんな存在へと変わってしまう。


いつでもできる、当たり前にある、と思っているうちに、情熱は「情熱とは別の何か」へ変わってしまって、そうするともう元の熱は戻ってこない。

だから絶えず、燃やし続ける必要がある。



これは、自分なりの、これまでの人生からの実体験だ。

だから、傍からみたら滑稽かもしれないが、自分自身の情熱を燃やし続けるために、今もこうやって、リリさんへ想うこととか、リリさんと出会って変わったこととかを言葉にして、紡いで、記して、意味づけている。
明日は今日よりも、もっと、情熱的でいるために。




時間に限りがあるからこそ、リリさんからもらったこの情熱を、これからも、いろいろな形で燃やし続けて生きていきたい。

もう、ずっと、メロメロです。 風雨来記4/2021 Nippon Ichi Software, inc./FOG


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